


『君の名は。』(興行収入251.7億円)『天気の子』(興行収入142.3億円)『すずめの戸締まり』(興行収入149.4億円)など記録的な大ヒット作を生み出してきた、日本を代表するアニメーション監督・新海誠の劇場アニメーション『秒速5センチメートル』を原作とした劇場用実写映画が制作される。
2007年に公開された劇場アニメーション『秒速5センチメートル』は、『ほしのこえ』『雲のむこう、約束の場所』に続く、新海誠の3作目の商業公開作品。映像美、音楽、特徴的なセリフで編まれた詩的な世界観は、センチメンタリズムが凝縮された新海ワールドの原点との呼び声も高く、公開から18年以上たった今もなお、日本のみならず世界中で愛されている。
実写映画の監督を務めるのは、33才の若さにして国内外から高い評価と注目を集めている映像監督・写真家の奥山由之。主演は、新海誠監督作『すずめの戸締まり』で宗像草太役に選ばれ、実写映画でも名だたるクリエイターの作品への出演が続く実力派俳優の松村北斗(SixTONES)。
公開は10月10日(金)を予定している。

1991年、春。
東京の小学校で出会った貴樹と明里は、
互いの孤独にそっと手を差し伸べるようにして、
少しずつ心を通わせていった。
しかし、卒業と同時に、明里は引っ越してしまう。
離れてからも、文通を重ねる二人。
相手の言葉に触れるたび、
たしかにつながっていると感じられた。
中学一年の冬。
吹雪の夜、栃木・岩舟で再会を果たした二人は、
雪の中に立つ一本の桜の木の下で、
最後の約束を交わす。
「2009年3月26日、またここで会おう」
時は流れ、2008年。
東京で働く貴樹は、
人と深く関わらず、閉じた日々を送っていた。
30歳を前にして、自分の一部が、
遠い時間に取り残されたままだと気づきはじめる。
そんな時にふと胸に浮かぶのは、
色褪せない風景と、約束の日の予感。
明里もまた、あの頃の想い出と共に、
静かに日常を生きていた。
18年という時を、異なる速さで歩んだ二人が、
ひとつの記憶の場所へと向かっていく。
交わらなかった運命の先に、二人を隔てる距離と時間に、
今も静かに漂うあの時の言葉。
――いつか、どこかで、あの人に届くことを願うように。
大切な人との巡り合わせを描いた、
淡く、静かな、約束の物語。

しかしその未完成さ故に、今でも長く愛し続けてもらえている作品でもあります。 初期衝動──未知への憧れと畏れだけをただぶつけたあのような映画は、今の自分には決して作れないでしょうし、再現も出来ません。
ですから、奥山監督をはじめとした若く熱心なチームがふたたび『秒速5センチメートル』に向き合ってくれていることに、私はとても興奮しています。
最も信頼する俳優である松村北斗くんに主演をつとめてもらえることにも、人生の不思議さを感じます。 どうか、皆さんの今でしか作れない映画にしてください。
誰よりも完成を心待ちに、応援しています。
今しか作れないものがあるということ、 いずれは忘れてしまう眼差しがあるということに気付かされながら 『秒速5センチメートル』と向き合っている日々です。
どことない喪失感、焦燥感を抱える貴樹の背中に、 温もりある手を添えるようにして、心から信頼するチームの皆さんと共に、 1シーン1シーン、1秒1秒を丁寧に、切実さと誠実さをもって、 真摯に撮り重ねたいと思います。
僕の中に残る「センチメンタル」をこの作品に全て置いていきますので、 どうかご期待ください。
(コミックス・ウェーブ・フィルムにて)
花苗に再び命を吹き込むという誇りある責任を感じながら、この作品の中で花苗としてどう生きていくかを毎日考え続けました。
種子島の自然が私たちを歓迎してくれる姿はあまりにも美しく、原作への感謝すら感じられるほどでした。
奥山監督をはじめとするスタッフのみなさんと毎カット敬意を持ち緊張感がありながらも、
表現することの楽しさを胸に丁寧に撮り重ねていったものがどんな風に皆様の元へ届くのか楽しみです。
漠然とした気持ちを重ねながら何度も観た、新海誠さんの物語。出演が決まってからも光栄な気持ちでいっぱいで、中々実感が湧かなかったのを覚えています。
奥山監督の真摯な想いが伝播したチームの空気感と、壮大で果てしない種子島の景色。どこを切り取っても特別で、忘れられない夏でした。
種子島で“遠野くん”と呼ばれる全ての瞬間が、松村さんと上田さんの東京での日々に結びつくことを願いながら撮影しました。自分もスクリーンで観るのが楽しみです。
ご一緒したいと願っていたキャスト・スタッフの皆さんと、微細な心のかけらを、こぼれ落ちてしまわないように丁寧に誠実に拾い上げていく時間は、せつなくもやさしい時間でした。
この映画を映画館で観られることを今から楽しみにしています。
日々楽しそうに、柔軟に作品と向き合う監督を中心に回る現場はとても穏やかで居心地が良かったです。
種子島の豊かな自然に助けられながら、あの時あの場所でしか切り取れない瞬間も沢山詰まった作品になっていると思います。
原作ファンの皆様にもぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです。
でも、読ませていただいた台本が素敵な話で、こんな風に実写にしようとしているんだと納得しました。
松村さんは、とてもきれいな眼をしていながら、どこかさみしげな、彼特有の独特な孤独感があって、初めて会った時から、まさにそこに遠野貴樹君がいるという印象でした。
奥山監督とは、初めてご一緒しましたが、とても丁寧で、たくさん悩みながら作品と向き合っていらっしゃって、現場にもその丁寧さが表れているなと感じています。
奥山監督の手がける『秒速5センチメートル』に、自分が少しでも役に立てていたらいいなと思っています。
新海誠監督がこの歌に新たに命を吹き込んでくださった気がしています。
今回の実写化に際してもまた劇中歌として使用いただけるということで僕としても光栄に思います。
こうして皆さまにかわいがっていただいて幸せな歌ですね。
奥山監督の手がける新たな『秒速5センチメートル』も楽しみにしています。
山崎まさよし
チームの中には中学生や高校生で観たという方も多く、どの地点でこの作品と出会ったかによって違う切実さを感じる深遠な原作を前に、 喜びと緊張を持って向き合わせていただきました。
人と人が近づいたり離れたりする巡り合わせのことを。
とても真摯な奥山監督や信頼するスタッフ、誠実なキャストの皆さんとたくさんの対話を重ね、その時間のすべてを脚本に込めました。多くの方々の"今"に届くことを願っております。
このたび、新海誠さん原作、奥山由之監督による実写映画『秒速5センチメートル』にて音楽を担当いたしました。
はじめて『秒速5センチメートル』を観たあの日、心の奥にそっと置かれた静かな痛みが、残響のように鳴り続けていました。
風景の匂い、光の粒子、言葉にできなかった感情― そのすべてが、天門さんのピアノと共に今も耳の奥で響いています。
今回、その世界に新たな音を添えるという大きな役目をいただきました。郷愁や喪失、すれ違いと再会。その余白を震わせるような音楽を、静かに編みあげていきました。
過去と現在をつなぐ一本の線のように。音楽もまた、出会いと別れを繰り返しながら、人の心に寄り添い続けるものだと思います。
奥山監督とは同世代として、同じ季節を通り抜けてきた感覚があります。だからこそ、 2025年の今、この物語にもう一度触れたとき、自然と浮かび上がってきた音がありました。
初めてこの物語に触れる方にも、そしてかつて心を重ねた方にも、それぞれの記憶と交差し、小さな響きを残せたらと願っています。